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女性医師の方へ

 関西医科大学は、昭和6年に大阪女子高等医学専門学校として創立されました。当時の女性は国立・公立大学医学部への進学が許されておらず、女性が医師になるためには東京女子医専に入学するしかなかったことから、西日本でも女性医師の育成を目的に設立されたのです。西日本唯一の女性医師育成機関として、戦前・戦中の男性医師が少なくなった医療現場に多くの女性医師を送り出してきました。戦後、昭和29年に関西医科大学となり男女共学となりましたが、今でも一学年に平均的に30~40%の女性が在籍し、附属病院で研修する医師の30%を女性が占めています

 当科も皮膚科、形成外科、女性診療科、小児科に並んで女性医師の多い診療科で、学内で勤務する30名のうち13名(43%)を女性医師が占めており、関連病院スタッフ医師も全て含めると約50%となります。女性医師の場合、入局して研修を積みつつ力をつけてきた頃に結婚、出産、育児のために職場を一時的に休むことが多く、そのままある程度子どもさんが大きくなるまでは復職しにくいということが多くありました。

 先代の松村美代教授の時代(平成11年~20年)に、結婚・出産した先生が大学に戻りやすいようにと、宿直免除、病棟主治医としての担当数制限、カンファレンスも予定によっては欠席も可とした常勤医を設定しました。産休後や育児休暇などでいきなり完全に常勤医として復職が難しい先生には、週1~2回の外来診察や検査外来から徐々に診療に戻ってもらうという対応も行うこととしました。その頃から勤務医不足の問題や、女性医師の職場復帰の問題について大学も取り上げるようになり、平成20年に学内に女性医師支援検討委員会を設置、平成21年4月には卒後研修センター内に女性医師支援部門を開設、平成22年4月には全国の医科大学に先駆けて女性医師短時間正職員制度を導入、附属枚方病院・滝井病院内の院内保育所の整備も行っています。大学による女性医師支援については大学ホームページ内にも詳細に記載しています(URL:http://www.kmu.ac.jp/residency/ )。 

 今後も女性医師が医療の現場で働きやすい環境を整備していくことも重要ですが、周りのスタッフの理解を深めること、また育児に対する意識も考えていく必要があると思います。妊娠、出産は女性のみがなし得ることですが、妊娠すると仕事に出ていても日によっては体調が悪いこともあったり、時には安静を必要とすることもあったりします。慢性的な人手不足の現場では大変なこともあるかと思いますが、お互いにカバーし合って休みにくい雰囲気にならないよう努める必要があり、周りの人の意識改革も必要です。また、出産後の育児については全て女性が行うという固定概念も変える必要があります。平成22年に厚生労働省は女性の就業率維持のために「イクメンプロジェクト」を出しています。男性医師が育児に関する考え方を少し変えてみるだけでも、女性医師が今よりも働きやすい環境を作っていけるものと思います。
 女性医師が職場復帰しやすい環境を整備することで、女性医師のキャリアアップはもちろん勤務医師不足の解消にも繋がると思うので、更に医局としても環境整備に努めていきたいと思います。
 

(2013.3 永井記載)