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ぶどう膜炎

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ぶどう膜炎

ぶどう膜とは、虹彩(こうさい)・毛様体(もうようたい)・脈絡膜(みゃくらくまく)の3つの眼球内の組織をまとめた呼び方です。何らかの原因でこのぶどう膜に炎症が起きる病気を『ぶどう膜炎』といいます。
ぶどう膜炎の原因の約半数は、ベーチェット病・サルコイドーシス・原田病の三大ぶどう膜炎が占めています。三大ぶどう膜炎のほかにも膠原(こうげん)病、関節炎、糖尿病、あるいは血液疾患や悪性腫瘍などの数10種類以上のものが原因になります。このように全身の異常が原因となることがあるので、全身の詳しい検査や注意が必要になります。
しかし、ぶどう膜炎の原因がはっきりと診断できるのは、全体の5割程度です。どうしても原因がわからない場合も5割あります。
ぶどう膜炎は、炎症が前眼部に限局する場合などにはステロイドの局所治療で十分に治療できることも多いのですが、治療が困難なものや慢性に炎症が続くものもみられます。治療を放置してしまうと炎症や合併症などのために網膜や視神経が傷害されて視力の回復が困難になることや、あらゆる治療を試みても視力の低下を防ぐことができない場合があります。


 
 

ぶどう膜炎の症状は?

ぶどう膜炎の症状は、眼のなかの炎症の部位や程度によってことなり、色々な眼の症状を起こします。特に多いのは、充血、眼が痛い、光がまぶしい、眼がかすむ、黒い影のようなものが見える(飛蚊症:ひぶんしょう)、ものが見にくい、といった症状です。


 
 

ぶどう膜炎による眼の合併症は?

ぶどう膜炎は合併症として、緑内障、虹彩後癒着(水晶体と虹彩がひっつく)、白内障、網膜の障害などの合併症が高い頻度で起こります。これらの合併症は、重篤な視力障害につながることがあるので、その早期治療が大切です。


 
 

ぶどう膜炎と体の異常

ぶどう膜炎は、眼以外の全身の異常と関係が深い病気です。また、治療に使う薬が副作用を起こすこともありますので、眼以外の全身に異常がないかを常に注意する必要があります。血液検査や尿検査、レントゲン撮影などを時々行いますが、それ以外にも治療中に体の異常があったときには、診察時に医師に知らせて下さい。体の異常を早く知ることは、眼の病気の診断や薬の副作用の早期発見に役立ちます。


 
 

ぶどう膜炎の治療

ぶどう膜炎は様々な原因で起こるため、治療方法も様々です。病気の状態によって、使う薬の種類も様々で、また使用方法も、点眼、内服、注射、点滴などがあります。時には、眼の手術が必要となることもあります。
現在の行われている治療で、すべてのぶどう膜炎がすぐに完全に治療できるわけではありません。治療法の中には、頻度は低くても重大な副作用がおこる可能性があるものもあります。しかし、ほかの治療では効果が不十分な時には、強い副作用があると分かっていても、高い治療効果が期待できる場合には、その治療法を選択せざるを得ないこともあります。
ぶどう膜炎には、治療の難しいものや、治療に長い時間のかかるものが多く、慢性化するものも少なくありません。また、再発しやすいのが特徴です。治療でいったん症状がよくなっても、薬を減らしたり治療を中止するとよく炎症が再発しますので、薬の量を注意深く調節することが必要になってきます。軽い炎症や合併症がおこっていても、患者さんご自身では気がつかないことも少なくありません。症状が良くなっても、ご自身の判断で薬の量を減らしたり、中止したりすると重大な障害を起こすことがあります。何かの理由で薬をきちんと使えなかったときには、医師に連絡して下さい。
また、医師の指示があるまでは、患者さんだけの判断で通院を止めないで下さい。症状に応じて適当な間隔で受診し、炎症の状態やその他の異常がないかどうか、定期的に診察を受けて下さい。

関西医科大学眼科 ぶどう膜外来